新型コロナウイルス感染症　日本国民は集団免疫をもっていた？！

ゴールデンウイーク明けごろに、一部報道では流れていましたが、京都大学大学院医学研究科の上久保靖彦特定教授と、吉備国際大学（岡山県）の高橋淳教授らの研究グループによると、「実は日本人には新型コロナウイルスの免疫があった」という発表がされていました。

最近、この事が、プレジデントにも掲載されて更に話題になっています。

今回は、この研究内容をわかりやすく説明し、私なりの見解を述べたいと思います。

皆さん、冷静に判断する材料になればと思います。

実は日本人には新型コロナウイルスの免疫があった説

京都大学大学院医学研究科の上久保靖彦特定教授と、吉備国際大学（岡山県）の高橋淳教授らの研究グループは、「日本人には新型コロナウイルスの免疫があったので死者数を抑え込むことができた」という内容のプレプリントをCambridge Open Engageに発表しています。

研究グループによりますと、新型コロナウイルスには3つの型があるそうです。S型、K型、G型です。最初にS型が発生し、それが変異したものがK型。武漢でさらに変異した感染力の強い型がG型です。

今年、日本ではインフルエンザの感染者が極端に少なかったといわれています。新型コロナウイルスへの警戒で手洗いが励行された結果と見る向きもありますが、実は日本人が早期に新型コロナウイルスに感染していたため、インフルエンザにかからなかったというのが上久保教授らの見解です。

インフルエンザと新型コロナウイルスにはウイルス競合（ウイルス干渉）と言ってどちらかに感染していればもう片方には感染しないという理論です。

この説の一番重要なところなので少し専門的になりますがご容赦ください。

日本が行っていた入国制限は、3月9日までは武漢からに限られていました。その結果、S型とK型が武漢以外の中国全土から日本に流入・蔓延し、多くの日本人が感染していました。日本人は、武漢で猛威をふるったG型が日本に到来する前に、すでに新型コロナウイルスの免疫ができていたということなのだそうです。

Ｋ型に感染した日本人が全体の５０％程度で、完全な集団免疫となっていなかったために若干の感染拡大があったという見解です。

そのほかにも様々な根拠づけがありますが、この程度にしておきます。

世界の感染者数や死亡率などのデータを見るとわかりますが、日本の状況は全世界の中で中位程度の感染者数や死亡率です。

日本が奇跡的に死亡率や感染者数が少ない訳でもありません。

ただ単に先進国で比べると少ないですが、その程度です。

むしろ、全世界で比べて、欧米の感染者数や死亡率が突出しています。また、最近はブラジルなどの南米地域で跳ね上がっています。

確かにこれらと比べれば日本の数字は奇跡的に少なく見えますが、欧米が異常すぎると思います。

日本は３密対策をとってクラスター発生をできるだけ減らそうという取り組みをしてきています。実際のところどれだけの人が免疫を持っているかわかりません。

確かに今シーズンインフルエンザの感染者が異常に少なく、ウイルス干渉と言うことには確かに頷ける部分もあります。

今回の日本人免疫獲得説をすべて否定するわけではありませんが、欧米との関係性のみで研究してあり不完全です。

全世界と比較し、時間がかかりますが、抗体検査等の実施によって検証していくことが必要となります。

新型コロナウイルスとの戦いは早く集団免疫を獲得することが全てです。ワクチンで集団免疫を獲得するのか自然に感染拡大して免疫を確保するのかしかありません。また、治療薬がありますが十分な数量はありませんので、しばらくは治療薬頼みになることもできません。

ワクチンか治療薬が確保できるまではできるだけ感染拡大をさせないようにしていくほか方法はないと思います。しばらく不自由な生活が続きますが我慢しましょう。