新型コロナウイルス感染症対策 旅行業のガイドライン

健康
バスツアー

新型コロナウイルス感染症対策の基本対処方針に基づいて、各業界でガイドライン作成が要請されました。

それを受けて、多数の業種についてガイドラインが策定されています。

産業として一番打撃を受けている観光関係産業のガイドラインを調べてみました。

今回は、その中でも旅行業についてのガイドラインを簡単に説明したいと思います。

最後に、全文が読めるリンク先をつけておきますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

作成者

日本旅行業協会
全国旅行業協会

趣旨

 感染拡大の予防と社会経済活動の両立を図った上で必要と考えられる対策を例示したもの。各宿泊施設の施設の規模や業態等を勘案し、各施設の実情に合わせた対策を講じること。
 専門家の知見、お客様の要望や事業者側の受入環境等を踏まえて、必要な見直しを行っていくようです。

対策検討の考え方

・新型コロナウイルス感染症の主な感染経路である接触感染と飛沫感染のそれぞれについて、従業員や顧客等の動線や接触等を考慮したリスク評価を行い、そのリスクに応じた対策を検討。
・接触感染のリスク評価としては、他者と共有する物品やドアノブなど手が触れる場所と頻度を特定する。高頻度接触部位(旅行会社店舗内の家具・備品類、接客カウンター・テーブル、パンフレットスタンド、椅子の背もたれ、ドアノブ、電気のスイッチ、タッチパネル、レジ、手すり、エレベーターのボタン、自動販売機など)には特に注意。
・飛沫感染のリスク評価としては、換気の状況を考慮しつつ、旅行会社店舗内や旅行中に人と人との距離がどの程度維持できるかや、施設内で大声などを出す場がどこにあるかなどを評価。

ガイドライン抜粋

これがすべてのような気もしますが、リスク(接触や感染)を分析してそれに必要な対策を例示しているようです。

具体的な対応策

他の行業界と同じような内容なので端折って説明いたします。なお、5月14日に制定後5月21日に一部改正されています。

お主なポイントは以下のとおりになります。

  • 対人距離を2m(最低でも1m)とる。
  • 人が触れる部分は定期的に消毒する。
  • 従業員もお客様もマスクをする。

従業員等向けの対策

特筆すべきところは健康管理のところだと思います。

新型コロナウイルス感染症陽性とされた者との濃厚接触がある場合、過去 14 日以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国・地域等への渡航並びに当該在住者との濃厚接触がある場合、自宅待機とすること。

ガイドライン抜粋

とのことです。自宅待機の起点と終点がわかりにくいところです。

その他主なポイントは以下のとおりです。

  • 従業員等の健康管理はしっかり行う。
  • 添乗業務の場合にも健康管理を行い、万が一体調不良になったとしても対応策を事前に準備しておく。
  • 従業員の休業補償も整えておく。
  • 職場での3密対策(テレワーク、朝礼などの小グループ化など)の徹底。
  • 休憩室等接触する場所での身体的距離の確保や消毒の実施
  • 人権侵害対策

お客様向け対策

この項目は、一般的なオフィスと同じような内容になります。

主なポイントは以下のとおりです。

  • 非来店方式(電話やメールまたはオンライン)の推進
  • お客様との接触を避ける取り組み(ビニールカーテン、キャッシュレス、待ち時間の短縮等)
  • 手が良く触れる部分の消毒
  • 店内トイレの消毒

旅行業取り扱いにおける対策

この部分が、他の業種にはない項目になります。少し長いですが、抜粋してご紹介いたします。

(1)単品(交通・宿泊など)(手配旅行)
・ 手配する旅行サービス提供事業者が適切な感染防止対策を取っている事業者であることを確認するよう、お客様に案内する。
・ 手配する交通機関・宿泊等の業界等で安全対策が講じられているかをお客様が認識して選定できるよう、必要に応じて情報提供などに配慮する。
(2)フリープラン、ダイナミックパッケージ(宿泊のみの募集型企画旅行を含む)
(募集型企画旅行)
 募集型企画旅行において手配する旅行サービス提供事業者は、原則として適切な感染防止対策を取っている事業者に限定する。
(3)団体旅行(日帰りバスツアーを含む)
(募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行)
①旅行の企画
 感染状況に応じた適切な旅行先の選定に留意
 旅行の出発となる都道府県から、都道府県外への移動自粛の要請がなされていないことを確認する。
②企画の際の旅行サービス提供事業者等の選定
 旅程に組み込む運送機関、食事箇所、観光施設、体験プログラム等については、事前に適切な感染防止対策を取っていることを確認する。
③旅行実施判断(標準旅行業約款募集型企画旅行契約の部 第 17、18 条関係)
 感染状況の変化等により旅行の安全かつ円滑な実施が困難となった場合、またはその困難となる可能性が大きい場合には、旅行の実施を中止する。
 旅行開始後であっても、感染状況の変化によりその後の旅行の安全な継続が困難となる可能性が大きいことがわかった場合は、旅行を中止し出発地に引き返す。
④旅行実施に関する助言(手配旅行)
 感染状況の変化等により旅行の安全かつ円滑な実施が困難となった場合、またはその困難となる可能性が大きい場合には、旅行の実施の是非を検討するよう、旅行者(団体責任者)に助言する。
 旅行開始後であっても、感染状況の変化によりその後の旅行の安全な継続が困難となる可能性が大きいことがわかった場合は、旅行の継続の是非を検討するよう、旅行者(団体責任者)に助言する。
⑤三密リスクを下げる旅程管理
ア 交通機関
 旅程において利用する各交通機関のガイドラインに従った利用ができるよう旅程管理する。
イ 宿泊
 宿泊施設においては各宿泊施設のガイドラインに従った利用ができるよう旅程管理する。
ウ 観光
 観光地では、団体メンバーが集まって「密」の状態を作らないよう、ガイドレシーバーを利用したガイディング等を行う
 観光入場施設では、入り口や施設内部での密集・密接を避けるため、小グループに分け、時間差をつけた入場等の工夫を行う。
エ 食事
 食事においては、各場所のガイドラインに従った利用ができるよう旅程管理する。
 その他の場所での食事においても、食事中の飛沫感染を防ぐため、時間をずらす、椅子を間引くなどにより、距離の確保に留意。
 食事施設の従業員との接触をできるだけ少なくすることに留意(従業員からの料理説明を説明メモに変更するなど)
 人数が多い団体の場合は、昼食を弁当にするなどして、食事中の感染リスクを低減する。

⑥添乗員が付かない場合は、旅行サービス提供事業者と協力して旅程管理を行う。
⑦お客様の健康管理、社員および添乗員等関係者の健康管理
 出発前にお客様の体調確認(体温、体調チェック)を行い、発熱や感染の疑いのある症状を呈しているお客様には、旅行参加を遠慮していただく。
 旅行中に体調不良となったお客様は、旅行から離団し、他のお客様への感染防止の対応を行うとともに、最寄りの保健所や医療機関に相談・受診できるよう事前に準備する。
 体調不良となり離団したお客様が、旅行の出発地または自宅等に戻るために必要に応じた旅行サービスを手配できるよう準備する。
 旅行中、要所要所での手洗い・うがいができるよう、適切な休憩場所等を選択する。
 旅行中、お客様にはマスクの着用を要請する 等

ガイドライン抜粋

旅行の催行等については、お客様にできるかぎりの情報を与え、必要であれば助言をしながら最終的にはお客様に判断していただくと言うことのようです。

また、3密対策に最大限配慮(特に食事など)しながら旅程管理を行うとのことです。

まとめ

旅行業はとにかく新型コロナウイルスに関するワクチン等が開発されるまでは、本当に苦労する業界だと思います。どんなに対策を取っても、最終的にはお客様のモラル等に左右されてしまうところも多く、不安から以前のように旅行に出かける人は激減しています。オンラインの旅行会社を含めて、相当なダメージを食らっていると思います。

日本全国で観光産業に依存している地域も多いのも事実で、この業界が回復するまでは、地方の観光地を抱えている地域の再生は望めないと思います。

私もできるだけ利用しようとは思っているのですが、さすがに今は都道府県境を超えて旅行に行く気にはなれません。

最後にガイドライン全文へのリンク先を下記に掲載しておきますので、興味のある方はぜひご覧ください。

ガイドライン全文はこちら⇒PDF

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