特別定額給付金(10万円現金給付)はなぜ市区町村によって支払い時期が違うのか?

日本経済
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国や自治体の現在の状況

国会で補正予算を審議中

国では、現在、補正予算案の審議を行っています。これは、10万円現金給付を行うために必要な予算やその内容についての審議を行っています。通常であれば、この予算が国会を通過した後に、全国の自治体が動き出すというのが普通です。

市区町村は予算編成など準備を進めている

市区町村を中心とした地方自治体は、特別定額給付金の支払いをするため、予算を編成したり、対象者の抽出、申請書の作成や物品の調達などを行っています。

その他10万円の給付以外の経済支援であったり色々な政策を並行して検討しているところです。

われわれ住民は

新型コロナウイルス感染症の拡大が続いていて、不要不急の外出の自粛など、まず、命を守る行動を求められています。生活するための収入が極端に落ち込んでいる世帯も多く、その日をどうやってしのぐのか危機に直面している方も増えてきています。

市区町村によっての違いはなぜ?

基準日は同じ

10万円を支払う対象者の判定基準日は4月27日(月)で全国で同じです。

人口

当たり前ですが、人口はそれぞれの自治体で違います。

財政状況

これもそれぞれの市区町村で状況が違います。しかし、大半の市区町村が借金をしながらなんとか財政運営をしています。

要因①システム開発

支払い漏れや二重支払いなど、重大な事故を起こさないため、大半の市区町村がこの事務処理を行うためにシステム開発や現在あるシステムの変更を行っています。全国一斉に行っているため、ベンダーの対応によっていつから事務手続きが行えるのか大きく左右する材料になっています。

要因②資材の納品(コピー用紙や郵送に使う封筒)

申請書に使用するコピー用紙や、郵送・返送に利用する封筒など、事前に準備しなければならないものがあります。しかしながら新型コロナウイルス感染症の影響により、生産を中止している会社や社員の出勤調整を行っている事業者もあり、普段以上に品物が手に入りにくい状況が続いています。

そのため、物品調達に手間取り申請手続きが遅くなる見込みの自治体も増えています。

要因③財政の余力がない

10万円の現金給付に必要なお金(財源)は国が100%出すことになっていますが、そのお金が国から市区町村にいつ・いくら入っていくのか不透明で全く読めません。大半の市区町村では一般会計予算規模の10~20%程度の予算措置が必要で、そこの資金調達見込みを立てておかないと、実際に支払う際に財源がないという事態に陥ってしまいます。資金繰りをどうするのか調整が必要で、予算編成に少し時間がかかっています。

また、口座振り込みをする場合に、各金融機関に支払う振込手数料もとんでもない金額となる事から、振込手数料など振込に関するお金の調整も同時に行っています。

要因④説明資料の作成

申請書の郵送の際にその説明書きなど、だれが見てもわかりやすいものを作成しなくてならず、丁寧にすればするほど、対応が遅くなってしまいます。

要因⑤封入作業

人口が少ない市区町村では、そこまで苦にしないところがありますが、おおくなればなるほど、封入作業にかかる時間が増え、全体のスケジュールにも影響が大きいです。

要因⑥国の制度が決まらない

急遽、10万円の現金給付に制度が変更されたので、国が最終的に示す制度の詳細が決まりません。国の制度を見極めてから取り組みたいと思っている自治体もあるようです。

市区町村の工夫

前倒して支払う

国の予算が成立してから支払うのが正しいやり方ですが、市区町村のほうでお金を借り入れたり、調達して支払う方法です。

実際に本日から、申請書の受付を開始した町があります。

ホームページからダウンロード

申請書の発送が大きく遅れる市区町村は、それまでの間は自治体の公式ホームページから申請様式がダウンロードできるようにして、それに必要事項を記入の上返信するという方法を採用している自治体があります。

人海戦術

封入作業などの要員に、新型コロナウイルス感染症の影響で休止している施設の職員などを活用しできるだけ早くできるように対応する予定の自治体もあります。

ゴールデンウイーク返上

もちろん、市区町村はゴールデンウイーク返上で、対応することになります。また、特別定額給付金の支払いを公務員は一番最後にするなど、様々な対応を考えているようです。

まとめ

皆さんがお住いの市区町村は、それぞれが工夫をして準備作業を計画し、できるだけ早い段階で、支払う準備をすすめています。しかし、各自治体が抱えている問題点は多く思うように早く支払うことができません。

比較的、金銭面で余裕がある方は、申請期間が3か月あるので遅い時期に申請書を出してみるなど、工夫することをお勧めします。そうすることで自治体の事務処理が煩雑とならず、生活困窮者に早く確実にお金が届くようになると思います。

余談

厚生労働省のホームページに新型コロナウイルス感染症の影響で会社やご自分の家庭が困窮している方に参考となる、非常にわかりやすいパンフレットが掲載されています。

ぜひ、参考に見てみてください。

こちら⇒  『生活を支えるための支援』

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