FXで利確・損切りがむずかしい人はリスクリワードレシオで整理する

FX
リスクリワードレシオ

しばらくお盆休みで、ブログの更新を休んでいました。

FXで利益が上がらない人や損切りができない人は多いと思います。私もそうですが、資金ポジションを取るのは良いのですが、利幅と損切りラインをどこにしようかかなり迷います。

そういう人に一番参考になる考え方として「リスクリワードレシオ」という指数があります。

実はこのレシオを使うと自分の頭の中を整理することができると思いますので、今回はリスクリワードレシオについて詳しく解説していきたいと思います。

最後に、リスクリワードレシオをどのように実践に生かしていくのか記載しておりますので、実践での参考にしてください。

リスクリワードレシオって何?

 リスクリワードレシオは日本語で言えば「損益比率」と言います。利益が出たトレードの利益額と損失が出たトレードの損失額の比率です。

 このリスクリワードレシオは次のような計算式で算出されます。

リスクリワードレシオ = 勝ちトレードの平均利益÷負けトレードの平均損失

 リスクリワードレシオは必ず0以上の数値で示され、勝ちトレードの平均と負けトレードの平均が同じ数値であれば1となります。

 この数値が1を超えて高くなれば高くなるほど、負けトレードの損失よりも勝ちトレードの利益が大きい状態を示しています。

リスクリワードレシオの実際の計算方法

 実際の取引での計算方法は以下のとおりになります。

回目勝ち負け
15
210
360
440
55
610
仮のトレードでの損益表(単位:万円)

仮に上記の損益が発生している場合には、

勝ち((5+60+5)÷3)÷負け((10+40+10)÷3)=1.167

という数字になります。1を超えているので儲けになっています。

リスクリワードレシオと勝率の関係

リスクリワードレシオ(損益比率)を考える上で、勝率との関係が一番重要です。

FXの利益はリスクリワードレシオと勝率で決まります。

実践ではリスクリワードレシオが低くても、勝率が高ければ利益を上げることができますし、リスクリワードレシオが高ければ、勝率が多少低くても利益を上げることができるという関係性がなりたちます。

次の表は損益比率と勝率を掛け合わせて利益率を計算した表です。

この表の0%となっている水準が損益分岐点となります。例えば、リスクリワードレシオが1のときに、勝率が50%である場合は収益は±0、つまりブレイクイーブンポイント(損益分岐点)となります。

赤い色の部分が利益が出ている組み合わせで青い色の部分は損失が出ている組み合わせとなります。

他にもリスクリワードレシオが0.5であれば、勝率67%がブレイクイーブンポイントとなり、リスクリワードレシオが1.5であれば、勝率40%がブレイクイーブンポイントとなります。

0.30.511.523
25%-68%-63%-50%-38%-25%0%
33%-57%-50%-33%-17%0%33%
40%-48%-40%-20%0%20%60%
50%-35%-25%0%25%50%100%
67%-13%0%33%67%100%167%
70%0%16%54%93%131%208%
リスクリワードレシオと勝率の損益表(タテ軸:勝率、ヨコ軸:リスクリワードレシオ)

自分のトレードの勝率からリスクリワードレシオを設定

リスクリワードレシオが0.5の場合は勝率が67%を超えなければ利益を上げることができないということになります。一方でリスクリワードレシオが1.5あれば、勝率が40%を超えれば利益が出る計算になります。

このリスクリワードレシオと勝率という視点で見ると、FXで利益を上げるためにはこのリスクリワードレシオ、または勝率のいずれかを上げてブレイクイーブンポイントを上回る必要があります。

もし、うまく利益を上げることができていないという方は、まずは自分のトレードの質をチェックして現状を把握する必要があります。自分の現時点でのトレードのリスクリワードレシオ、勝率がどのくらいなのかを確認し、そこからどのようにブレイクイーブンポイントを超えることができるかを探っていくという手順が必要になります。

つまり、リスクリワードレシオ、勝率のいずれかを上げてブレイクイーブンポイント超えを狙うということです。

リスクリワードレシオを上げる方法としては、損切りや利益確定の水準の見直しなどが考えられます。そして、損益比率が悪いようなトレードは見送るという習慣も必要かもしれません。

個人で相場を動かすことはほぼ無理なので、損切りの水準や利益確定のタイミングを自分で決めて、このリスクリワードレシオをコントロールするという方が勝率を上げるより難易度は低いです。

一方で勝率を上げるためには投資手法の変更などの方法が挙げられます。より優位性のあるエントリーポイントを検討したり、相場の状況に併せて投資戦略を使い分けるなどの工夫が必要となります。

自分のトレードスタイルとリスクリワードレシオを設定

例えば、自分の勝率が33%(3回に1回勝てる)場合であれば、リスクリワードレシオが2を超えるようにしなければ勝てません。ですので、利益幅を21bips以上で設定し、損切りラインを-10bipsに設定しておけば良いと言うことになります。

ただ、この程度の幅であれば例え上昇局面でも一時的に損切りラインを切ってしまうこともありますので、ここは工夫が必要です。

もちろん幅を大きくとればとるほど、1日では達成できないような数字設定になってしまうかもしれませんので自分のトレードスタイルと相談しながら設定を変えていく必要があります。

まとめ

リスクリワードレシオとは、損益比率のことです。自分の勝ちの平均と負けの平均の比率で求められる数値です。数値が1以上であれば利益が大きく1未満であれば損益が大きいことになります。

FXの場合、勝率とリスクリワードレシオの関係性で、自分の収益性を求めることができます。勝率を大きく変えることは難しいと思いますので、リスクリワードレシオに焦点を当てて改善していくことによって、大きくトータルの収益が向上していきます。

リスクリワードレシオは様々な場面で使えますが、投資の世界で一番、活用するのはFXです。

自分の勝利率とリスクリワードレシオの関係をみて、上記の表で損益率が0%以上になるように利確や損切りの幅を調整していくことが一番重要です。

負け続けている人は特に、自分の勝率とリスクリワードレシオを計算してみて、利確や損切りの幅を調整してみてください。そうすれば必ず、トータルの負けが減り、大きく収益が大きく向上していきます。

一般的にはリスクリワードレシオを3以上を目指すのが理想のようですが、FXの短期トレードではなかなか難しい数字です。できれば、勝率4割、リスクリワードレシオ2を目指していくのが現実的かなと思いますので、皆さんも頑張っていきましょう。

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