新型コロナウイルス感染症対策の外食業の事業継続のためのガイドライン

日本経済
お寿司屋さん

新型コロナウイルス感染症対策の基本対処方針に基づいて、各業界でガイドライン作成が要請されました。

それを受けて、現在のところ81の業種についてガイドラインが策定されています。

それぞれ目を通してみると同じ事しか書いてないものが多いのですが、外食業に関しては、独自性がありなるほどなあと感心しました。ガイドラインの作りも完ぺきではないにしろしっかり伝えようとする熱意があります。

そこで今回は、私たちの日常生活に活力を与えてもらえる、外食業のガイドラインについて簡単に説明したいと思います。

最後に、全文が読めるリンク先をつけておきますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

ガイドライン

作成者

一般社団法人日本フードサービス協会(略称:JF)と一般社団法人全国生活衛生同業組合中央会(全国麺類生活衛生同業組合連合会、全国飲食業生活衛生同業組合連合会、全国すし商生活衛生同業組合連合会、全国喫茶飲食生活衛生同業組合連合会、全国中華料理生活衛生同業組合連合会、全国料理業生活衛生同業組合連合会の意見を集約している。)が協力して作成したものです。

ガイドラインから抜粋

と書いてありますが、基本的には日本フードサービス協会が作成されていると思われます。

外食業とは

外食業とは、食堂、レストラン、専門料理店、喫茶店、テイクアウト・配達飲食サービスなどが該当します。

ガイドラインの主な目的

本ガイドラインは、外食事業者の皆さまが本格的に事業を再開されるにあたって、現場の実情に配慮して3密(密閉、密集、密接)を避け、手洗いなどの一般衛生管理の実施、人と人との間隔の確保等を通じて、お客様と外食業に働く従業員の安全・安心を確保するための参考となる具体的取組等を示したものです。

ガイドラインから抜粋

ガイドラインは、休業要請を受けて、店舗を閉めていた外食業事業者に宛てた内容になっています。ですので、事業再開という言葉が登場します。感染防止対策として主なポイントは以下のとおりです。

  • 食品の安全と衛生管理
  • 店舗・施設等の清掃と消毒
  • 従業員の健康チェックと個人の健康・衛生管理の徹底
  • 社会的距離の設定と確保への工夫

お客様の安全管理

ちょっと長くなりますが、原文を掲載します。

1) 入店時
• 店舗入口には、発熱や咳など異常が認められる場合は店内飲食をお断りさせていただく旨を掲示する。また、店舗入口や手洗い場所には、手指消毒用に消毒液(消毒用アルコール等)を用意する。
• 店舗入口及び店内に、食事中以外はマスクの着用をお願いする旨掲示する。
• 飛沫感染・接触感染を防止するために十分な間隔をとることが重要であることをお客様に理解してもらい、店内が混み合う場合は入店を制限する。
• 店内飲食やテイクアウトで順番待ちをする場合は、各人ができるだけ2m(最低1m)以上の間隔を空けるように誘導する(床に間隔を示すテープを貼るなど)。
• 順番待ちが店外に及ぶ場合は、従業員が間隔を保つように誘導するか、または整理券の発行等により行列を作らない方法を工夫する。
2) 客席へのご案内
• テーブルは、飛沫感染予防のためにパーティションで区切るか、できるだけ2m(最低1m)以上の間隔を空けて横並びで座れるように配置を工夫し、カウンター席は密着しないように適度なスペースを空ける。
• 真正面の配置を避けるか、またはテーブル上に区切りのパーティション(アクリル板等)を設けるなど工夫する。
• 少人数の家族、介助者が同席する高齢者・乳幼児・障害者等対面を希望する場合は、可能としてもよいが、他グループとの相席は避ける。
• グループ間の安全を確保するために、他のグループとはできるだけ2m(最低1m)以上の間隔を空け、会話は控えめにし、BGM を聞くなどを勧めることを検討する。

3) テーブルサービスとカウンターサービス
• テーブルサービスで注文を受けるときは、お客様の側面に立ち、可能な範囲で間隔を保つ。
• お客様が入れ替わる都度、テーブル・カウンターを消毒する。
• カウンターサービスは、可能な範囲で従業員とカウンター席との間隔を保つ。
• カウンターで注文を受けるときはお客様の正面に立たないように注意する。
• カウンターでは、お客様と従業員の会話の程度に応じ、従業員のマスク着用のほか、仕切りの設置など工夫する。
• 大皿は避けて、料理は個々に提供する、従業員等が取り分けるなど工夫する。
• お客様同士のお酌、グラスやお猪口の回し飲みは避けるよう、業態に応じ、掲示等により注意喚起する。
• 個室を使用する場合は、十分な換気を行う。
4) 会計処理
• 食券を販売している店舗は、券売機を定期的に消毒する。
• 会計処理に当たる場合は、可能であれば、電子マネー等の非接触型決済を導入する。現金、クレジットカード等の受け渡しが発生する場合には、手渡しで受け取らず、コイントレイ(キャッシュトレイ)などを使用する。また、コイントレイ
は定期的に消毒する、会計の都度手指を消毒するなど工夫する。
• 飛沫を防止するために、レジとお客様の間にアクリル板等の仕切りを設置するなど工夫する。
5)テイクアウトサービス
• テイクアウトを実施している店舗では、お客様の店内滞留時間を短くするために、事前予約注文を受け付けるなどの仕組みを導入する。
• テイクアウト客と店内飲食客の動線を区別し、接触を避けるように工夫する。
• 食中毒等の防止のため、料理は早めに消費するよう、口頭もしくは注意書きを添えてお客様に注意を促す(特に気温の高い時期)。
6)デリバリーサービス
• デリバリー担当の配達員と来店客が接触しないように、可能であればデリバリー専用カウンターを設け、両者の動線が重ならないように工夫する。
• 料理の受渡しは必ず手指を消毒してから行う。
• 代金が支払い済み(オンライン決済等)で、注文者が希望する場合は、注文者が指定した所に料理を置くなど非接触の受渡しを行う。
• 配達員は、店舗従業員と同様の健康管理、手洗い等の衛生管理を実践し、マスクを着用する。
• 配達する料理の容器は、配達員が直に触れないよう袋等に入れ、配達に使用する運搬ボックス等は使用の都度、消毒する。
• 食中毒等の防止のため、料理は早めに消費するよう、口頭もしくは注意書きを添えてお客様に注意を促す(特に気温の高い時期)。

ガイドラインから抜粋

これを読んで思ったのは、気づいてませんでしたが、これからの季節、ここに書いてあることを守るのは至難の業だということです。

夏に向かっていきますので、これから気温が上がります。その気温によって以下の事が守られにくくなります。

  • マスクの着用
  • 窓を開けての換気
  • 食中毒

特に食中毒を起こしてしまった場合には、瀕死の状態の外食経営が頓挫してしまいかねないダメージを食らってしまうと思われます。

従業員の安全管理

•食品を扱う者の健康管理と衛生管理を徹底する。
•従業員の健康管理において最も重要なことは、各自が店舗に新型コロナウイルスを持ち込まないことである。
•従業員は必ず出勤前に体温を計る。発熱や風邪の症状がみられる場合は、店舗責任者にその旨を報告し、勤務の可否等の判断を仰ぐ。
•感染した従業員、濃厚接触者と判断された従業員の就業は禁止する。
•店舗ではマスクやフェイスガードを適切に着用し、頻繁かつ適切な手洗いを徹底する。
• 従業員やその家族が過度な心配や恐怖心を抱かないよう、また風評被害や誤解などを受けないよう、事業者は現状を的確に従業員に伝える(従業員へのリスク・コミュニケーション)。
• 従業員のロッカールームや控え室は換気し、空調設備は定期的に清掃する。

ガイドラインから抜粋

一般的な企業の従業員管理とほぼ同じ内容になっています。

従業員が感染した場合など風評被害もありますので、一般企業と違って対応はなかなか難しいと思います。

店舗の衛生管理

• 店内(客席)は適切な換気設備の設置及び換気設備の点検を行い、徹底した換気を行う(窓・ドア等の定期的な開放、常時換気扇の使用など)。
• 店内清掃を徹底し、店舗のドアノブ、券売機、セルフドリンクコーナー等の設備等、多数の人が触れる箇所は定期的にアルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウムで清拭する。また、テーブル、イス、メニューブック、タッチパネル、卓上ベル
等はお客様の入れ替わる都度、アルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウム、台所用洗剤(海面活性剤)で清拭する。
• 卓上には原則として調味料・冷水ポット等を置かないようにするが、撤去が難しい場合は、お客様が入れ替わる都度、アルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウム、台所用洗剤(海面活性剤)で清拭や用具の交換を行う。
• ビュッフェやサラダバー及びドリンクバーは、利用者の飛沫がかからないように食品・ドリンクを保護する(カバーを設置するまたは従業員があらかじめ又はその場で小分けする、客席と料理提供空間が近い場合には適度に仕切るアクリル板
等の仕切りを設けるなど)。トング等は頻繁に消毒若しくは交換するか、または手袋の着用を促す。
• 従業員は、店内の一箇所にお客様が集まらないように留意する。
• トイレは毎日清掃し、ドアやレバー等の不特定多数が触れる箇所は定期的にアルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウムで清拭する。
• トイレのハンドドライヤーは使用を中止し、ペーパータオルを置く。また、汚物は蓋をして流すよう、使用者に注意を促す。
• 厨房の調理設備・器具を台所洗剤(界面活性剤)で清拭し、作業前後の手洗いなど、従来から取り組んでいる一般的な衛生管理を徹底する。
• 感染防止対策に必要な物資(消毒剤、不織布マスク、手袋、ペーパータオル、及びそれらの使い捨て用品を廃棄する容器等)の一覧表(リスト)を作成し、十分な量を準備しておくか、または緊急時にすぐに入手できるよう予め手配をしてお
く。平時から使用した分をその都度補充し、常に一定の必要量を備蓄しておくことが望ましい(ローリングストック)。
• ユニフォームや衣服はこまめに洗濯する。
• 食品残渣、鼻水、唾液などが付いた可能性のあるごみ等の処理は手袋・マスクを着用してビニール袋等に密封して縛り、マスクや手袋を着用して回収する。マスクや手袋を脱いだ後は、必ず手を洗う。

ガイドラインから抜粋

紙ナプキン等を使用して、ごみとして膳の上に置いておくと、ごみ処理が大変で迷惑をかけてしまうんだなあ~などと思いました。

あとは、ビュッフェやサラダバーはダメだと書いてあるのかと思っていましたが、する前提で書いてあってびっくりしました。確かにこれが売りの食べ放題のお店も多いので仕方がないのかもしれません。

一応、Q&Aにも書いてありますが、やってくださいという意味ではなくて、感染予防対策を工夫して行った上で、してくださいと言うことです。

今までとやり方が変わっていないお店は、少し警戒してしまうかもしれません。

まとめ

当然そうだろうなと言う項目が並んでいますが、外食業といえ、かなりそれぞれのお店によって、必要な対策は違ってくると思います。

また、物理的に対応できないお店もあると思います。

ガイドラインの冒頭にも、

業種・業態が多岐にわたる我が国の外食業では、実に様々なメニューやサービスを提供する店舗が全国に存在し、その多くは中小事業者や個人事業者によって運営されています。本ガイドラインは、これらの事業者の皆さまが本格的に事業を再開されるにあたって、店舗営業に必要な取組を具体的に提示しています。事業者の皆さまにおかれては、それぞれの店舗の実情に沿った創意工夫をお願い致します

ガイドラインから抜粋

と言う記載があり、各事業者の応用力が求められています。

政府の支援する給付金が手元に届いていない事業者が大半で、かなり厳しい状況だとは思いますが、早く営業を再開して何とか乗り越えて欲しい業界です。

私も、家計が許す限りは利用して、支援していきたいと思っています。

最後に、ガイドラインの全文を下記に掲載しておきますので、ぜひご覧ください。

外食業のガイドラインはこちら⇒

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