新型コロナウイルス感染症対策 小売業におけるガイドライン

健康
レジ

新型コロナウイルス感染症対策の基本対処方針に基づいて、各業界でガイドライン作成が要請されました。

それを受けて、多数の業種についてガイドラインが策定されています。

それぞれ目を通してみると同じ事しか書いてないものが多いのですが、一番生活に身近な小売業に関するガイドラインを調べてみました。

今回は、様々な業態があるため分量が大変多いですが、ガイドラインについて簡単に説明したいと思います。

最後に、全文が読めるリンク先をつけておきますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

作成者

オール日本スーパーマーケット協会
一般社団法人全国スーパーマーケット協会
日本小売業協会
一般社団法人日本ショッピングセンター協会
一般社団法人日本スーパーマーケット協会
一般社団法人日本専門店協会
日本チェーンストア協会
日本チェーンドラッグストア協会
一般社団法人日本 DIY・ホームセンター協会
一般社団法人日本百貨店協会
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会
一般社団法人日本ボランタリーチェーン協会

趣旨

基本的考え方と具体的取組(①各店舗の実情に応じた感染予防対策、②従業員の感染予防・健康管理、③買物エチケットに係る顧客への協力依頼・情報発信等)に関し、本ガイドラインを定めることといたします。

(中略)

なお、従業員に新型コロナウイルス感染者が発生した時の対応については、食品流通業(卸売、小売)等を対象とした「食品産業事業者の従業員に新型コロナウイルス感染者が発生した時の対応及び事業継続に関する基本的ガイドライン」(https://www.maff.go.jp/j/saigai/n_coronavirus/ncv_guideline.html)
等も参考にしつつ、保健所と連携した対応を実施することになりますが、対応を巡る論点(営業再開及び情報発信の在り方等)の詳細については今後の検討課題とし、本ガイドラインの内容には含みません。

ガイドライン抜粋

基本的な考えと具体的な取り組みを示しますと言うことです。ただし、営業再開等の部分については今回のガイドラインには含んでいないということです。

基本的な考え方

(前略)

○ このため、本ガイドラインでは、これまでに店舗において実施されている具体的な取組事例を中心として、事業者がそれぞれの業態、店舗の規模や立地などの実情に応じて実施する際に参考とすべき取組を例示し、指針として示します。
○ また、小売店舗が事業を継続していく上では、従業員の健康と安全・安心の確保が不可欠です。このため、本ガイドラインにおいては、従業員の感染予防・健康管理を実施する上で取り組むべき事項についても示します。
○ 更に、店舗における感染予防対策を実効性あるものとし、顧客及び従業員にとって安全でストレスの少ない買物の場を実現していくためには、店舗及び従業員による適切な対応に加え、何より顧客の理解と行動変容が不可欠です。このため、本ガイドラインでは、買物エチケットに係る顧客への理解を得るための情報発信等に関し参考とすべき事項についても併せて示します。

ガイドライン抜粋

基本的には国の示した新しい生活様式を踏襲しながら、安全でストレスの少ない買い物の場を実現していくために、顧客の理解と行動変容のために情報発信等の事項も示すという考え方のようです。

具体的な取り組み

店舗における感染予防対策

(前略)

店舗の実情に応じ、以下に挙げる取組例を参考に対策を講じることにより、店舗における感染予防策の充実を図り、顧客や従業員の安全・安心を確保した上で事業を継続していくことが求められます。

ガイドライン抜粋

下記事例を参考に、各店舗の実情に応じて対策をしてくださいと言うことです。

身体的距離の確保

店の中外でのフィジカルディスタンス確保のため、アナウンスや床表示(足形など)をしましょうということです。

【スーパー】
 サッカー台(会計後に袋詰めをする台)での顧客による袋詰め作業において、掲示・アナウンスの実施などにより対人距離の確保を促す。必要に応じ、サッカー台を追加してスペースを確保することも考えられる。

【百貨店・ショッピングセンター・スーパー】
 エレベーターの利用が混雑しないよう、適切に掲示・アナウンスの実施などを行うとともに、高齢者、妊婦、障がい者に対する優先的な利用を確保する。
 エスカレーターの利用において、掲示・アナウンスの実施などにより適切な対人距離の確保を促す。

ガイドライン抜粋

スーパーも実際にやろうと思うとスペースがなくてなかなか対応できないかもしれませんね。

清掃・消毒

通常の清掃と小まめな手指消毒に加え、

 買物カゴ、買物カートのハンドル部分、扉の取っ手など、顧客や従業員が手を触れることが多い箇所・機材等は定期的に消毒を実施する。
 トイレについて、トイレの蓋がある場合には蓋を閉めて汚物を流すよう表示し、不特定多数が接触する場所は消毒を行うとともに、ハンドドライヤーのほか共通のタオルの使用は行わない。
 ゴミの廃棄については、鼻水・唾液などが付いたゴミが入っていることを想定しビニール袋等に入れて密閉して縛るほか、ゴミを回収する人は、マスクや手袋を着用し、マスクや手袋を脱いだ後は、必ず石鹸と流水で手を洗う。

ガイドライン抜粋

という対応をしましょうということです。

【百貨店・ショッピングセンター】
 休憩スペースやフードコートのテーブル・イス・タッチ式の案内パネルなど不特定多数が共用する物品や顧客や従業員が手を触れることが多い箇所・機材等は定期的に消毒を実施する。

ガイドライン抜粋

とにかく、不特定多数の人が触れる場所は消毒しましょうと言うことです。

接触感染・飛沫感染の防止

特に重要な項目だと思います。

・ 従業員と顧客の接触機会を減らし、飛沫感染を防止するため、以下のような取組を行う。
 透明間仕切り等の設置などによるレジ前での飛沫感染防止の取組を行う。(透明間仕切り等を設置する場合は、透明間仕切り等が従業員や顧客に触れないように注意する。)
 レジにおいてコイントレーでの現金受渡を励行する。
 自動精算機・キャッシュレス決済の利用を促進する。
 従業員によるマスク等の着用や、こまめな手洗い・手指消毒を励行する。
 従業員が対面による販売・説明・サービスを行う際などには、感染予防の観点から、マスクやフェイスシールド等の着用等による必要な感染予防の措置を行う。
【ドラッグストア・百貨店】
 特に一般医薬品や化粧品のカウンセリング時には、顧客との真正面での立ち位置を避け、適切な接客時間に留意する。

ガイドライン抜粋

とにかく、従業員と顧客の接触を減らして、飛沫感染を防ぐのか取るべき取り組みです。すべての小売業で必要な対応だと思います。田舎の個人商店などはなかなかできないかもしれませんが、避けて通れない取り組みになります。

換気の徹底

夏になったら難しくなってきますが、換気は絶対に必要だと思います。もちろん喫煙室は閉鎖するべきかと思います。

商品陳列等

売り上げを大きく左右する部分ですが、こちらも変更しなくてはなりません。顧客が自ら取り分ける方法(バイキング方式)の商品は個包装にするなどの対応が必要です。また、試食販売もできません。

店舗内混雑の緩和

店内混雑を避けるために販促策の自粛や顧客のマナーを呼びかける項目になります。

店舗内施設の利用等

主に、ショッピングセンターやコンビニなどが該当する項目になるかと思いますが、3密につながるようなイートインスペースのどの施設を改善しましょうということです。

【スーパー・コンビニ・ドラッグストア】
 イートインスペースを使用する場合には、テーブルの配置や間隔の確保に留意するとともに、近距離で対面しての食事や長時間の会話をしないようにするなど、必要に応じ利用を制限する。
【百貨店・ショッピングセンター】
 休憩スペースやフードコート等については、テーブルの配置や間隔の確保に留意するとともに、近距離で対面しての食事や長時間の会話をしないようにするなど、必要に応じ利用を制限する。
 催事の実施又はアミューズメント施設及びサービス施設等の集客施設の使用については、各都道府県において示される対応に基づいて実施又は使用の可否を判断し、実施又は使用する場合においても、入場者の制限や誘導、手指の消毒設備の設置、マスクの着用、室内の換気等の適切な感染防止対策を講じる。
 特定の店舗・テナント等に利用が集中するような場合には、必要に応じて混雑緩和のための措置を講じる。

ガイドライン抜粋

店舗入店時の顧客に対する依頼

マスクの着用や手指の消毒、体調が悪い場合は来店しないように呼びかけましょうという内容です。

従業員の感染予防・健康管理

従業員の感染予防や体調管理についての項目です。バックヤード等の対策についても記載があります。妊婦や高齢者が家族に居る場合にも配慮することが必要です。

① 新型コロナウイルス感染症予防に関する基本的知識等の周知徹底
・ 従業員に対し、感染症予防に関する基本的な知識を周知し、感染防止策を徹底させるため必要な指導・教育を行う。
② 従業員への飛沫感染と接触感染の防止
・ 従業員によるマスク等の着用や、こまめな手洗い・手指消毒を励行する。消毒による手荒れ防止等のため手袋を使用する場合であっても、手袋を使用していない場合と同様に、手洗い・手指消毒による感染防止の取組が必要であることを周知する。
③ 対人距離の確保
・ 従業員が業務において他の従業員や顧客との対人距離を確保できるよう、業務の方法や導線について点検するとともに、従業員自らが対人距離の確保に努めるよう指導する。
④ バックヤード・事務所等での対策
・ 従業員用の休憩所や事務所等のバックヤードにおいても、「三つの密」を避けるための対策を適切に講じるとともに、共有電話など複数の者が触れる箇所・機材等の消毒を定期的に行うなど、顧客が滞在する区域と同様に実情に応じた効果的な感染予防の取組を適切に実施する。
⑤ その他、感染予防・健康管理に関する指導等
・ 職場において、顧客対応に伴う精神負荷も含め、従業員の日々の健康状態の把握に配意するとともに、従業員に対し、以下のような指導を行う。
 咳エチケットを徹底する。
 出勤前に体温測定、自覚症状の確認を行い記録する。
 発熱その他の感冒様症状を呈している場合には、所属長に連絡し自宅待機する。
 新型コロナウイルス感染症陽性とされた者との濃厚接触がある場合、過去14日以内に政府から入国制限されている国・地域や入国後の観察期間を必要とされている国・地域等への渡航がある場合には、所属長に連絡する。
 出勤時、トイレ使用後、売場・厨房・製造加工施設への入場時等における手洗い、手指の消毒を徹底する。
 通勤時には時差通勤など出来るだけ混雑を避ける方法を選択する。
 勤務に際し、適切な休息の確保や水分補給など健康維持に必要な対応を行う。
 従業員1人1人が十分な栄養摂取と睡眠の確保を心がけるなど健康管理を行う。
・ 従業員に対し、体調が優れない場合には休みやすい環境作りに努める。
・ 店舗・施設への出入り事業者に対しても、感染予防・健康管理に関する取組を促す。
【百貨店・ショッピングセンター・スーパー】
⑥ テナント店長会などを活用したテナント含む従業員への感染予防・健康管理の
促進
・ テナント店長会などを活用し、テナント従業員に対しても、これらの感染予防・健康管理に関する取組の促進を図る。

ガイドライン抜粋

買物エチケットに係る顧客への協力依頼・情報発信

先ほどまで、掲げてきた対応策について理解を得るために、顧客に対してアナウンスをしていきましょう。ということでそれぞれのアナウンス項目が例示されています。顧客に対して丁寧なアナウンスが求められています。

まとめ

小売業に関しては基本的に薄利多売の業態です。どれだけ多数のお客さんに来店してもらってたくさん買ってもらうかが死活問題です。しかしながら、感染症予防の観点から販促策の自粛をしながら、来店してもらうというある意味矛盾する取り組みを行わなければならいところが苦しいところです。

お客さんに安心して出かけてもらえるようにしっかり対策を取っていくしかありません。

最後に、ガイドラインの全文を読みたい方は、以下のリンク先からご覧ください。

ガイドラインはこちら⇒PDF

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